自己責任VS責任転嫁 社会心理の洞察

花儿与少年第1季第6期(Divas hit the road Season Ⅰ)

【ルール】
・ガイド当番制
・2回目のガイドは許晴
・スタッフは助けない(助けるとしたらルールにあるヘルプを使用)

【観光場所】
・ランブラス通り(バルセロナ)
・コロン広場
・カサバトリョ(バルセロナ)

学べること】
・課題解決
・責任

【意識すべきこと】
選択する
提案する

【差別化】

多くの人は責任転嫁をしてしまう。自分が負うべき責任や失敗を短期的な衝動でつい他人になすりつけてしまう。

あなたはどうしますか?

【考えると良いこと】

前提条件
「状況」
毎日の生活費が限られている・未知の土地・自国の言葉が通じない環境
「人」
異なる世代で構成された組織
「獲得したいもの」
ルーティンから脱却した幸せな生活
新しい経験
新しい人間関係の構築
コミュニケーションの重要性

【注目すべき焦点】

1.自己責任VS責任転嫁

自己責任は、自分の行動の責任は自分にあることを指します。「ご利用は自己責任でお願いいたします。」などと使われます。自分の行動や選択したことに対して、その結果や責任を自分自身で負うことを意味します。このような定義によって、自己責任にはメリットとデメリットがあります。

メリット

  • 自分の行動に責任を持つことで、自己認識や問題解決の能力が向上する可能性がある
  • 自分の選択に自信を持つことで、自尊心や自己肯定感が高まる可能性がある
  • 自分の行動に対して他人から責められることが少なくなる可能性がある

デメリット

  • 自分の行動に対して他人の助けや支援を求められなくなる可能性がある
  • 自分の行動に対して他人の意見や感情を無視することで、人間関係に悪影響を及ぼす可能性がある

自己責任を持つことは大切ですが、それが行き過ぎると自分や他人にとって不利益になることもあります。自己責任を持つときは、バランスや節度を考えることが重要

責任転嫁は、自分が負うべき非難や制裁から逃げるため、自分が原因である失敗を他人のせいにすることを指します。本来、自分が負うべき責任や失敗を他人になすりつけます。嫁という言葉は、責任を自部に以外のほかに移すということです。これは、自分のミスを認められない人、プライドが高い人、面倒なことを避けたい人などによく見られる行動です。責任転嫁する人の心理としては、周囲からの評価を下げたくない、傷つくのが怖い、自分に自信があり無自覚などがあります。「責任転嫁ばかりしていないで、自分のミスは自分で認めて責任を取りなさい」などと使われます。

責任転嫁をすると、短期的には自分を守るための行動としていいのかもしれません。しかし長期的に考えてみると、自分にとってもそして他人にとってもいいこととは思えません。自分が犯したミスは素直にさっさと認めてしまい、よりよく改善することが大切です。

メリット

  • 自分の失敗を他人のせいにすることで、一時的にストレスや責任感から解放される
  • 自分の行動を正当化し、自尊心を守ることができる

デメリット

  • 他人を非難することで、周囲との関係が悪化する
  • 自分の失敗を他人のせいにすることで、その失敗から学ぶ機会を失い、成長が妨げられる
  • 長期的に考えると、責任転嫁を繰り返すことで、他人からの信頼を失うリスクがあります。

海外旅行における自己責任は、自律性、成長、達成感を通じて幸福感を高める要因として機能します。その一方で、責任転嫁は一時的な逃避や自己保護の手段として働くことはあります。しかしながら、長期的な幸福感には貢献しにくいでしょう。したがって、海外旅行では自己責任のほうが、より持続的で健全な幸福感をもたらすことができるといえます。

そもそも「責任」とは何を指すのでしょうか。辞書を見てみると、個人が自分の行動や選択に対して責めを負うこと、または特定の義務や義務を果たすことを指すようです。これには、自分の行動の結果に対する説明責任や、自分の行為が他人または環境に与える影響に対する責任が含まれます。

責任の種類は大きく分けて2種類です。一つは個人的責任のことで、個人の行動や選択に対して個人が負う責任、自分の行動の結果に責任を持つことを意味します。もう一つは社会的責任のことで、社会的な規範や法律に従い、他人や社会全体に対して正しい行動をする責任を持つことを意味します。

責任と幸せを関連付けて考えてみましょう。自己責任を認識することは、自分自身への認識を高め、改善してよりよい人生を歩もうとします。自分の行動とその結果を理解し、必要に応じて臨機応変に行動を微調整することで、より満足のいく人生を送ることができます。また、社会的責任を認識し他人や社会に対して責任を持つことは、共感や社会的なつながりを強化します。これは、人々が社会の一員としての役割を果たすときに感じる満足感や幸福感に寄与します。このように説明をしてもう一度考えてみると、自己責任と責任転嫁の一つを選択するなら、自己責任を選択した方が良さそうですよね。

この番組を見ると本当に面白いです。許晴(女性・当時44歳)は、自分たちが住んでいるホテルの場所を把握していません。スタッフからあらかじめ支給されたはずの携帯電話を持ち歩いていません。一視聴者としては「少なくともホテルの場所や名前くらいは把握しとこうよ」「携帯電話を支給されたなら持ち歩かないとダメじゃん…」とため息をついてしまいます。いったいなぜそういうことになってしまうのでしょうか?これはわたしたち日本人にも学ぶべきところがあると思います。

それは彼女はずっと他人任せにしてきたからでした。自分がホテルの住所を知らなくても仲間が知っていれば、彼らについていけばいいわけです。自分だけが携帯電話を持っていなくても仲間が持ってさえいれば、彼らと別行動をしない限り、連絡を取り合う苦労しません。しかし、一旦みんなとはぐれて単独行動をしてしまうとなると、そのツケがついにまわってきてしまいます。

例えば、スマホの充電が切れてしまったと仮定しましょう。あなたは旅行で集団行動をしているのに、なかにはずっとスマホを見て何かをしている友達がいるとします。その人は長時間いじり過ぎて電池が切れてしまいました。そうすると、他人任せにせざるを得なくなります。食事するところを検索してもらおうとしてもできない、地図を見てもらおうと頼んでも開けない、ホテルを予約してもらおうとしてもできない。こんな状況はわれわれの日常生活においても、遭遇することはあるのではないでしょうか。

許晴は旅行が後半戦に差し掛かってきているにもかかわらず、番組があらかじめ設定したルールを未だに把握していませんでした。しまいには、やらせをしても大丈夫かのような発言も飛び出しました。カメラマンに対して「スタッフに電話をしてわたしたちを車で迎えに来させてホテルに連れて帰るよう伝えてください」と言いました。スタッフが他の仲間には秘密で助けてくれると勘違いしているともとれる発言に、わたしは目を疑いました。

しかしこれに対して、カメラマンは拒否しました。番組制作側はルールを守りました。なぜなら、番組のルールにスタッフは何があっても助けないと再三口を酸っぱくしていっていたからです。この番組の趣旨は、課題に向き合って自分の力で困難を乗り越えることです。責任転嫁をしてはいけません。何があっても自己責任です。

さらに面白いのがこのあとの話です。この事件が起きた次の日、鄭佩佩(女性・当時68歳)が許晴に興味深い話をしていました。この話はわたしたち日本人が日常生活で物事を解決するとき、非常に参考になるアドバイスです。課題に真摯に向き合うためのマインドセットとして、役に立つ考え方です。

許晴は「わたしはみんながいないと何もできない」と言いました。しかし、鄭佩佩は問題の焦点は「みんながいないと何もできない」ことではないといいます。では、本当の問題の焦点はなんなのだろうか。それは、ある課題に対して真摯にしっかりと向き合わないことが問題だと指摘します。

鄭佩佩はこんなアドバイスをしました。「課題が目の前に浮かび上がったときこそ、自分の能力が試されます。ある課題がいま、あなたの目の前に立ちはだかっています。右も左も見たけど、誰も自分を助けてくれる人はいない状況。こういう状況だからこそ、自分の力で本気になってなんとかして考えようとします。自分の頭を十二分に使って考えようとします。そうすることによって、結果的にあなたの潜在能力が発揮されます。」

いままで自分ができないと思っていたことは、勘違いだったのかもしれません。これまでやるのを避けていたことは、できないのではなく面倒くさいだけだったのかもしれません。できるかもしれないと思ってやってみたり、面倒くさいと思いながら挑戦してみると、意外とできるようになる可能性はなくはないででしょう。

では、なぜわたしたちはこんなにも課題に向き合うことができないのでしょうか。それは、そうすることが心地よくなってしまうからです。なぜ心地よくなってしまうと、自分が何をしなくても周りに助けてくれる人がいるから。「彼らがわたしのために行動してくれる」そうと思うと、つい心地良くなってしまいます。他人がわたしのかわりにやってくれると思うから、甘えて人任せにしてしまいます。

これはできるかできないかという技術的な問題とはまったく無関係です。関係があるのは自分の力を信じてやるかやらないかの問題だったのです。

では、なぜ自分自身でやる選択をせず、他人にやってもらう選択をしてしまうのでしょうか。それは面倒くさいからにほかならないです。無駄なエネルギーを消費するのを抑えようとするからです。他人にやってもらうことで、自分はエネルギーを消費しなくて済みます。他人がわたしのために行動してくれていると思うと、心地良くなります。実際に許晴はこう言っています。「自分自身を変えたくない(ありのままのわたしでいたい)」、「言いたくないことは言わないし、やりたくないことはやらない」と。

さらには「経験のおける背景は人によって違うし、習慣も全然違う。あらゆることが違う。だから、自分自身を変えたくない、ありのままの自分でいたい。わたしはわたしの中の世界で生きていたい。社会には振り回されたくない」とも。YouTubeのコメント欄を見ると、彼女の経歴を知っている方が共通して言っていることがありました。彼女はお金持ちの家で育ちお金に困ったことがない、演技が上手、挫折した経験がないことです。

何が小さな問題があったとしたら、きっと家族が解決してくれたのでしょう。その影響がのちの人生にも響いたのか、彼女にとって面倒くさいことはやらなくなりました。自分はありのままの自分でいたいけれど、他人を自分の都合のいいように変えさせたいという意志を感じます。だから最終的には、「わたしはみんながいないと何もできない」になってしまったのです。

これからは責任転嫁ではなく自己責任を意識しましょう。自分自身を変えたくないと曲げないのではなく自分自身から変えていきましょう。自己責任だからこそ、エネルギーを使って課題に真摯に向き合い解決しようと考えます。大多数の人が自分自身を変えたくないからこそ、あなた自身が自分自身を臨機応変に対応することで、自己認識や問題解決の能力があがり成長します。自己責任は良いことばかりあるのです。

【内容】

・道に迷った、目的地までの生き方がわからないとき、自分たちが解決できない問題はどうするべきか?
→人に聞く(少なくとも英語でのコミュニケーションが必要)
・褒められたときが一番うれしい
→みんなから認められる、みんなから褒めてもらえるとき
→もっと他人を褒めてあげる、認めてあげる
・やってみるとわかるガイド役の大変さ
→駅はどこ?電車のチケットはどうやって買う?ホテルから駅はどれくらいの距離で時間はどれくらいかかる?ホテルの予約の仕方がわからないしやったことがない
→やったことがないからやらないorやったことがないからチャレンジしてみる
・ホテルの場所がわからない、携帯を持っていない
(いまだにスタッフがカメラを回していないときに秘密で助けてくれると勘違いしている)
→他人任せのツケがまわってきた
→ルールはスタッフは助けない、自分の力で困難を乗り越えないといけない
→自己責任VS責任転嫁
→「自分自身を変えたくない」≒「他人を自分の都合のいいように変えさせたい」、「言いたくないことは言わないし、やりたくないことはやらない」
→自分が悪いとは思わない、他人に頼り過ぎ、「彼ら」ならホテルの場所を知っている
→「わたしはみんながいないと何もできない」
→×できる、できないの問題〇やる、やらないの問題
→課題が目の前に浮かび上がったとき、自分の能力が試される
→誰も自分を助けてくれないからこそ、自分でなんとかして考えようとする
→結果として、潜在能力が発揮される
→助けてくれる人が周りにいると心地良くなる、他人がやってくれると思うから人任せにしてしまう
・「助けてください」と正直に言う
→本当に解決できないときに、助けてくれる人は必ずいる
→番組では結果として、中華料理店、警察、中国大使館が動いた
・すでに起こってしまったことにとやかく言うVS起こってしまった問題に向き合い解決する
・バーで目を離したすきに泥棒に遭ったら?
→身分証、パスポート、バッグなくした
→肩身離さず持っておくべき
→自己責任、すべては自分の行動から始まっていると考える
→海外旅行で用意すべきもの。身分証とパスポートのコピー、証明写真を数枚を呼びで用意すべし
→責任転嫁、「だってママがそう言ったから」「よくあることでしょう?」

【課題解決の例】(番組内より)

・道に迷った、目的地までの生き方がわからないとき、自分たちが解決できない問題はどうするべきか?
・バーで目を離したすきに泥棒に遭ったら?

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