【更新日:2025年7月4日】
「小日本1(シャオリーベン)」と言われたとき、あなたはどう対応しますか?
「中国人に『小日本』って言われたら、どう反応すればいいのか?」
「怒るべき? それとも無視するのが大人の対応?」
でも、「中国人のあの発言、許せない。でも、言い返したら関係が悪くなりそうで怖い…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
この問いに、正解はありません。
ですが、私はある経験を通して、ひとつの答えにたどり着きました。
それは、「冷静に、でもはっきりと伝える」ことです。
「中国人の言動が許せない」と感じたとき、どう対応するのがベストなのか。実体験をもとに、“黙る”以外の選択肢をお届けします。
「小日本」って冗談のつもり?
これは、私が実際に体験した話です。
私がこの言葉を聞いたのは、中国人の知人との会話中でした。
会話の中で冗談のように、しかし確かにこう言われました。

「”小日本”は、冗談だよ。気にしないで」
驚いて「小日本?」と聞くと、彼は笑いながら「冗談だよ」と軽く受け流しました。
そのとき、私は何も返せませんでした。
私はその場では笑ってごまかしましたが、心の中ではショックと不安でいっぱいでした。
「本音はこう思ってたの?」
「私のこと、どう見てたの?」
その後、自分なりに調べたり、他の人の体験談を読んだりする中で、あることに気づきました。
「小日本」という言葉は、ただの冗談では済まされない。
そして、黙って受け流すことは、相手に「言ってもいいんだ」と誤解させる危険があるのです。
自分が傷ついたことよりも、相手がそれを“問題ないこと”として扱っていることに、深くモヤモヤしたのです。
黙っていても尊重されるとは限らない
日本人の多くは、「空気を乱さないように」「言わなくても分かってくれる」と考えがちです。
私もそうでした。
でも、黙っていると、「何も問題ない」と思われる。
あるいは、「言っても怒られない」と勘違いされることもあるのです。
中国では、反日感情や歴史教育2の影響により、「小日本」や「日本鬼子3(リーベングイズ)」といった言葉が日常会話に登場することがあります。
悪意があって言っているとは限りません。学校や家庭で自然に覚えたケースもあるのです。
SNSで「日本のアニメ大好き!」と言った投稿の次に、「小日本は滅びろ」なんて書き込みが並ぶこともあります。
これは極端な例ですが、
・恋人の前では親日的な態度を取る ・でも中国の友人やSNSでは反日的な発言をする
という“表と裏”の顔を持つ人は、決して珍しくないのです。
しかし、受け取る側である日本人にとって、それは「差別的な表現」であり、「侮辱」として感じられるものです。
問題は、こちらが何も言わなかったときです。
「この人は怒らなかった」→「つまり、気にしていないんだ」→「他の日本人にも言っていいかも」
という誤った学習が相手の中で起きてしまいます。
だからこそ、はっきりと拒否する姿勢が大切なのです。
怒らずに返す4つの選択肢
「でも、感情的に言い返すのは避けたい」
「関係を悪くしたくない」
そう思う方もいるでしょう。
そこで、私が実践・提案するのが、冷静さを保ちながら伝える4つの返し方です。
1. 論理的に返す(おすすめ)
- 「“小日本”って国は存在しませんよ」
- 「中国より面積が小さいから“小”? それならアメリカには“大アメリカ”って言ってますか?」
- 「小さいけど、技術力は世界的に評価されてますよ」
- 「日本には”小日本”も”日本鬼子”もいませんよ。日本にいるのは木村拓哉と大谷翔平というスーパースターだ!」
冷静に論理で返すことで、相手に「あ、これは通じないな」と思わせる効果があります。
2. ユーモアでかわす
- 「燃費も国土もコンパクト、それが日本の魅力です」
- 「“小日本”にわざわざ来て観光してくれてありがとうございます」
- 「そんな小さい国が世界に大きな影響を与えてるって、不思議ですね」
- 「”小日本”?君たちは”中”国(”中”華人民共和国)ですけど。そのお隣には”大”韓民国もありますね。」
- 「中国は”大”きいから掃除が大変でしょ?日本はコンパクトだけど町中どこでも綺麗ですよ」
空気を壊さずに伝えたい場合は、皮肉交じりのユーモアが有効です。
ただし、反応は早めに。
3. 相手の誤解を正す
- 「そういう言い方をするから、中国人が嫌われるんですよ」
- 「日本人に好かれたいなら、もっといい表現を使ったほうがいいと思います」
- 「日本に観光に来ても日本のルールを守らないから、中国人って日本でめっちゃ嫌われてるんですよ」
- 「中国には言論の自由、ありますか? 日本にはあるので理解しづらいかもしれませんね」
- 「どこぞの大国とは違って、日本はノーベル賞受賞者は多いですよ」
少し強めの返しになりますが、相手の誤った前提に対してきちんと指摘するスタイルです。
4. 日本の強みで返す
- 「日本のパスポート4は、世界で一番自由に旅行できます」
- 「日本はSNS規制がなくて便利ですよ。VPN5いらずです」
- 「医療の技術も、街の清潔さも、サービスの質も、日本はけっこう誇れるんですよ」
- 「世界中の人が日本人は礼儀正しいと言ってますよね。そちらは礼節を重んじる国と聞いていますが…?」
- 「この清潔さと治安の良さは、どこにも負けないんですけどね。どこかの国の人のせいで、それが崩れかけそうですが」
直接的に反論しないけれど、日本の良さを静かに伝えることで相手の心に刺さることもあります。
それでも黙りたいと思ったら
「やっぱり関係を壊したくない」
「相手に悪気はなかったかもしれない」
その気持ちも、よくわかります。
でも、伝える言葉は攻撃でなくてもいいのです。
「その言葉、私はあまり好きではありません」
たったこれだけでも、あなたが“受け入れていない”ことを明確に示すことができます。
(ただし、「冗談だから、気にしないで」と言われる可能性があります。そうなると、無限ループになるかもしれません。)
黙らず冷静に自分を守る
中国の歴史教育や愛国教育の影響を受けて、この言葉が使われることがあります。
しかし、個人としての尊厳を守る行動は、いつだって選べます。
怒らずに、でも確実に伝える。
それが、あなた自身を、そして次に同じ言葉を投げかけられる誰かを守ることにつながります。
ぜひ一度、この記事を読んだあとに自分自身に問いかけてみてください。
「もし、明日『小日本』と言われたら、どう返そう?」
注釈
- 中国語で“日本をバカにする”意味を持つ言葉。 ↩︎
- 中国では学校で“国を大切にする考え方”を強く学ぶ教育があります。日本に対して厳しい歴史観を教えられることもあります。 ↩︎
- 中国で日本人を悪く言うときに使われる言葉。“鬼”は敵や悪者という意味。 ↩︎
- 2024年版ヘンリーパスポートインデックスによれば、日本のパスポートは世界最多のビザ免除国数を持っています。2024年現在、世界190以上の国でビザなしで入国できると言われています。 ↩︎
- VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)という海外のインターネットを使う仕組みが必要ない、という意味。中国では使えないSNS(YouTube、X、Instagram、Facebookなど)を見るためのインターネットの抜け道のような仕組み。 ↩︎
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