「なんか、自己主張が強すぎない?」
中国人と自己紹介や会話をしたとき、こう感じたことはありませんか?
「なんかやけに自分のことばっかり話してくるな…」
「自己紹介が長いし、“すごい自分”のアピールばかりじゃない?」
その違和感、実は日本と中国の文化的なギャップから来ています。
本記事では、「中国人の自己紹介がなぜアピール強めなのか?」をテーマに、その背景や価値観の違い、日本人が取るべき対応をわかりやすく解説します。
なぜ中国人は「自分を大きく見せる」のか?
「私は優秀です」と相手に印象づけることは、中国では重要です。
それはビジネスでも、日常のやりとりでも同じです。
【図1:中国と日本の自己紹介の価値観の違い】
日本 | 中国 | |
---|---|---|
自己紹介の目的 | お互いを知る儀式 | 実績と能力の提示 |
重視される価値観 | 謙虚・控えめ | 堂々・自信・成果 |
語られる内容 | 所属・趣味程度 | 学歴・職歴・賞歴・留学歴・特技 など |
評価のポイント | 空気を読む・調和 | 強みを明確に伝える力 |
こうした背景から、「自分を大きく見せる」ことが普通でもあり、生存戦略でもあるのです。
実例|中国流・自己紹介の特徴
中国のテレビ番組や日常会話では、こんな自己紹介が一般的です。たとえば、人気バラエティ番組『新相親時代』では、以下のテンプレートがよく使われます。
(基本テンプレート)
「私は〇〇大学△△学科出身。□□大学に留学経験があり、??語と!!語を習得しました。今は☆☆会社で働いています!!」
そのほかにも、一般的なアピール例として…
「◯◯大学△△学部卒。□□大学に留学経験あり。今は世界500強企業1の部長をしています」
「省トップの成績で大学入学しました」
「TOEIC 950点、ピアノは6歳から習っています」
「そこまで言う?」と思うかもしれませんが、これで普通です。
むしろ、ここで自分の強みを示せないと評価対象にすらならない可能性があります。
実体験|ちょっとした結果が中国では評価される
私自身、上海に留学していたときに、これを身をもって体験しました。
【体験談】
私は決して「優秀」な学生ではありませんでした。
しかし、大学院のサッカーサークルでたまたま活躍したことで、認知が一気に広がったのです。
私の学科のチームは、過去一度も決勝トーナメントにすら進んだことがない弱小でした。ところがその年、数人の実力者と私が加入したことで、チームが激変。初戦から快勝を重ね、気づけば決勝進出。
決勝では常勝チームを3-1で破って初優勝。私は5試合で11得点を決めてMVPに選ばれました。
その後どうなったか?
「あの日本人留学生って、サッカーめちゃくちゃ上手い人でしょ?」
「サッカーといえば彼だよね」と言われるように。
まったく知らない学生から連絡が来て、サッカー仲間や交流の輪がどんどん広がっていきました。
つまり、ちょっとした実績でも、堂々と出せば評価されるのが中国社会なのです。
日本人が陥る「謙虚すぎる自己紹介」
日本では「謙虚さ」が好まれます。しかし、中国で同じように振る舞うと、「自信がない」「実績がない」と思われてしまうかもしれません。
- 自信がない人
- 話すことが何もない人
- 評価に値しない人
これは非常に損です。
「謙虚=美徳」は日本でのルールであって、世界共通ではありません。
実践アドバイス|中国式・自己紹介の“型”
中国人と関わる際の自己紹介では、次のような要素を意識して組み立ててみてください。
【図2:中国式・自己紹介の構成テンプレ】
- 名前(あればニックネームも)
- 出身大学・学部(学歴は重要)
- 留学経験・奨学金取得歴
- 職場・業種・役職
- 特技・趣味・スポーツ歴(成果があると良)
- 星座(性格判断の材料として意外と重視される)2
そして、特に大事なのが…
▶ 「小さな成功体験」も堂々と伝えること
- 社内コンテストで賞を取った
- クラブ活動で成果を上げた
- イベントを主催して喜ばれた
日本では「それって大したことないよね?」と遠慮する場面でも、中国ではしっかり評価対象になります。
「自己紹介=勝負の場」という意識を持とう
中国では、自己紹介が「相手を見極める場」として機能しています。そこで堂々と成果を伝え、自信ある姿を見せることで信頼が得られるのです。
あなたの魅力を伝える準備はできていますか?
謙遜しすぎるのは損。
小さな成果でも、しっかり自分の言葉で伝える勇気があれば、それが相手との信頼構築の第一歩になります。
コメント