なぜ中国人は列に並ばないのか?─マナーの裏にある文化と合理主義を読み解く

ムカつく中国人の行動心理

「なんで中国人って、列に並ばないの?」

中国に行ったことがある人、あるいは中国人が多く集まる場所に行ったことがある人なら、きっと一度は感じた疑問ではないでしょうか。

わたし自身、何度もこの場面に出くわし、正直イライラしたことがあります。

でも、あるとき思ったんです。
「これって本当にマナーが悪いだけの話なのかな」と。

この記事では、わたしが中国や日本の空港・駅で実際に体験したエピソードを交えながら、「中国人が列に並ばない本当の理由」を、できる限り客観的かつ分かりやすくお伝えしていきます。

読み終えた頃には、少しだけそのモヤモヤが晴れているかもしれません。

新幹線の駅で何度も経験した「すみません、先に通してください」

まず紹介したいのは、中国の新幹線の駅での実体験です。

中国に滞在していたころ、わたしは何度も新幹線を利用してきました。そのたびにと言っていいほど目にしたのが、列の割り込み

ただし、日本のような「黙って前に入り込む」というタイプではありません。「すみません、私の列車がもうすぐ出発するので先に通してください」と、正直に理由を言って割り込んでくる人が多かったんです。

最初は「え、なんでそんなギリギリで来るの?」と腹が立ちました。

わたしはいつも早めに駅に着くようにしていて、間に合わないような時間のチケットはそもそも買いません。

だから、そういう人に出くわすたびに、内心でこう呟いていました。

「もっと余裕を持って家を出ればいいじゃん……」

それでも、結果的には仕方なく順番を譲ってしまう自分がいて。
それがまた、なんとも言えないモヤモヤを生むんです。

空港でも頻発!「お願い、先に通して!」

この現象は、空港でもよく見られました。

特に中国国内の空港で、同じように「私の便がもうすぐ出るから先に通して」と頼んでくる人は多かったです。

厄介なのは、頼んでくるだけならまだしも、返答を待たずに人をかき分けて進んでいく人もいるということ。

まるで「言ったからOK」とでも思っているかのように、ズカズカ前に出て行く。

もちろん、わたしは心の中でこう思っています。

「いや、ちゃんと時間に余裕を持って行動してよ……」

ですが、現地ではそれが普通で、誰も怒らないし、係員もとくに注意しません。

ここで初めて、私はこう気づいたのです。
「この国では、ルールより状況が優先されるんだ」と。

成田空港で見た「列の概念」の違い

そしてこの価値観の違いが、さらに印象的に現れるのが、日本の空港での出来事でした。

わたしが留学中によく使っていたのが、成田空港14:30発の中国・上海行きの便。
チェックインはだいたい11時過ぎから開始されますが、わたしはいつも10時には並んで待っていました。

しかし、中国人の乗客が増えてくると、列の形がどんどんおかしくなっていくのです。

日本人にとっての列は、縦一列に整然と並ぶもの
ですが、中国人にとっての列は、楕円形や扇形のようなものらしい。そして、「なるべく前に出る」「どさくさに紛れて前に行く」があたりまえのように行われていました。

一度、明らかにあとから来た中国人の家族が、私のすぐ横に入り込もうとしてきたことがありました。
わたしは勇気を出して、中国語でこう伝えました。

「ここは列になって並んでいます。後ろに行ってください。」

すると、彼らは少し面倒くさそうな顔をしつつも、ちゃんと後ろに並んでくれました。

この時、思ったんです。
「ルールを知らないわけじゃない。ただ、『やろうと思えば前に行ける』と考えてるだけなんだ」と。

地下鉄の「乗車競争」に見る合理性と焦り

最後は、中国の地下鉄での話。

ここでもやはり、列に並んでいるようで並んでいないという現象が起こります。
駅のホームでは整然と並んでいるのに、ドアが開いた瞬間、誰もが一斉に乗り込もうと押し合いへし合いになる

なぜこうなるのか?
その理由は、中国の地下鉄が非常にシビアなシステムで動いているからです。

ドアは自動で20秒ほどで閉まります。
日本のように、乗り終わるまで車掌が確認して待ってくれる……なんてことはありません。

つまり、中国では「乗るか・乗り遅れるか」は、自己責任。だからこそ、誰もが一歩でも早く中に入ろうとする

そこにはマナー違反という意識すらなく、ただ単に「乗るための最短ルート」を選んでいるだけなのです。

中国人はなぜ列に並ばないのか?答えは「合理主義」にある

これらの実体験から見えてきたのは、次のような価値観です。

  • 中国では、「ルール=絶対」ではなく「状況に応じて変わるもの」
  • 「他人に勝ちたい」「得をしたい」という競争意識が強い
  • マナー違反を怒るより、「自分に影響があるかどうか」で判断する
  • 列に割り込まれるのは「損するかどうか」であり、「ルール違反」ではない

つまり、中国人が列に並ばない理由は、単にマナーを知らないからではありませんでした。
「その場でどうすれば自分にとって得か」を瞬時に判断し、行動しているからなのです。

マナーの違いにイライラしたら、「なぜそうするのか」を考えてみる

日本人は、他人の目やルールを重視する文化に育ってきました。だから、列に並ばない行為を見ると「常識がない」と怒りたくなるのは自然なことです。

でも、そこで一歩立ち止まってみてください。

文化も価値観も違うのだから、わたしたちの「あたりまえ」が相手にとっても当たり前だとは限らない。

そして、違いを知ることで、不思議と少し心が穏やかになるものです。

まとめ|違いを知れば、心が軽くなる

今回ご紹介したように、中国人が列に並ばない理由は、単なるモラルの欠如ではなく、合理主義的な文化と、長年の社会構造の結果なのです。

確かに、イライラすることもあります。
でも、背景を知ることで、「ああ、そういうことだったのか」と気づけることもあります。

わたしたちが違いに対して寛容になることは、決して「許す」ことではありません。
それは、理解しようとする姿勢を持つこと。そして、自分のストレスを少しでも減らすための知恵でもあります。

最後に

この記事が、少しでもあなたのモヤモヤを軽くし、異文化との接し方に新しい視点をもたらせたなら、とても嬉しいです。

ご感想や体験談があれば、ぜひコメントで教えてください。きっと、それも誰かの“理解のきっかけ”になるはずです。

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